Vol.15 『殻をやぶれば、そこに幸せ感がある』

ケン先生からとっても大切なあなたへの贈りもの

景気も上向かず、未曾有の震災も経験し、少し”幸せ”を感じにくい時代のようです。私の「ヒーリング&リラクゼーション」のクラスでは、背中をさする、というメソッドがあるのですが、そうしているうちに自分でも理由がわからないままに涙をこぼす人がいます。知らないうちに、心が疲れてしまったりストレスを抱えていることがあるのでしょう。

そういうときは、心が自分の殻に閉じこもっているものです。ぎゅっと固まってしまって、幸せ感に気づくことができないのです。「最近、幸せって感じてないな」という人は、まずは、自分の記憶をたどるといいでしょう。どんなときに自分が幸せだったかを思い出しましょう。

それは、ご両親と一緒に過ごした子供時代だったかもしれないし、友達と過ごした学生時代だったかもしれない。それを思い出したら、そのときなぜ幸せだったのかを考えましょう。幸せだったのは、ご両親に守られている安心感や安定感があったからかもしれないし、大好きな人に囲まれていたからかもしれない。それがわかったら、今の自分に足りないものがわかります。それを求めて動きだせばいいのです。動きだすことは、閉じこもっていた殻を壊すきっかけになるでしょう。

また、小さなことでもいいので自分が「やってみたいな」と思うことをどんどんやってみてください。今は、世界に飛び出して大成功しよう、といった夢は描きにくい時代です。無理せず、自分の足もとを大切にしながら身のまわりで幸せを見つける時代です。大きな夢は、安定した時代がきたらまた改めて見ればいいのです。ないものねだりをせず、否定的にもならず、限られた環境の中で、毎日を過ごすこと。実はこれもヨガなのです。

おいしいものを食べることでも、何でもいいので、自分がしたいと思うことを探しましょう。それが見つかったら、殻を破ってスパークリングするチャンスです。殻をやぶったすぐそこに、きっと幸せ感は転がっています。

でも、いくら自分に「何をしたい?」と問いかけても何も浮かばないときもあるでしょう。そんなときは、それでいいのです。そのうち、自分の心が何かにときめくときが必ずやってきます。そのときまで、私といっしょに、ゆったりと待ちましょうね。

愛を込めて
ケン

ヨガジャーナル vol.19―日本版 特集:骨盤ヨガ入門 (saita mook)日本を代表するヨガ指導者であるケン・ハラクマ先生が、すべてのヨギ& ヨギーニに贈る、心温まる言葉のギフト。

ヨガジャーナル日本版 Vol.19 p.27より

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