Vol.3 『今の状況を受け入れれば、気持ちがずっと楽になるよ』

ケン先生からとっても大切なあなたへの贈りもの

ヨガの練習でひとりの世界に入り込んでしまうと、絶対にこうでなくてはならない、と思い込んで、どんどん視野が狭くなり、行き詰まってしまう人によく出会います。

人間関係にしろ、仕事にしろ、ヨガにしろ、ひとつの世界を追求するのは、けっして悪いことではありません。でも、追求しすぎると、できないという事実を受け入れられなくなり、息苦しくなってしまいます。

いったん立ち止まり、広い世界に目を向けてみると、こうでなくてはならない、と決めつけていたことが、こうでもいいんだ、とさまざまな選択肢が見えるようになり、気持ちがずいぶんと楽になるはずです。

でも、多くの人が抱えている人間関係の問題では、広い世界に目を向けることが難しい場面もあります。家族や友人、同僚など何を言っても理解してもらえなかったり、関わること自体がストレスになってしまったり、何をやってもうまくいかずに、どんどん気持ちが内側へと向かってしまうのです。

そういうときは、まず今の状況を受け入れてみましょう。たとえば山登りで、脚がぱんぱんになってもう歩けないときは、無理をして歩き続けるのではなく、いったん休んで、痛みがおさまったら再出発する。そうすると、楽しみながら登山ができますよね。

人間関係も同じことです。「私だけがなんで」という気持ちを抱いてしまいがちですが、今の状況を受け入れ、少し立ち止まって、外の世界に目を向けてみましょう。辛いのはあなただけではないことに気づくはずです。

そうすると、自分のなかにあるやさしさを再発見でき、相手を大らかな目で見ることができるでしょう。このマインドの変化が、相手にも伝わり、かたくなだった相手の心を自然と溶かすのです。

ものの見方を変えることは、誰もができること。そうすれば、ずいぶんと自分を取り巻く世界は変わります。

それでも、心がぎゅーっと苦しくなってしまったら、心の中で私の名前を呼んでください。そして私の言葉を思い浮かべてください。あなたを助けに、夢の中へ飛んでいきますからね。

心より愛を込めて。
ケン

ヨガジャーナル日本版 Vol.7 (INFOREST MOOK)日本を代表するヨガ指導者であるケン・ハラクマ先生が、すべてのヨギ& ヨギーニに贈る、心温まる言葉のギフト。

ヨガジャーナル日本版 Vol.7 p.21より

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