Vol.5 『変化を受け入れることから2010年を始めよう』

ケン先生からとっても大切なあなたへの贈りもの

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。みなさんは、素敵なお正月を過ごしたことと思います。

さて、今回は変化についてお話ししたいと思います。

私たちの生活や人生は、いつも変化を繰り返し、長い人生には、大きな変化、つまり節目となる年がいくつかあります。昨年、2009年は私にとってその節目の年だったように思います。というのも、その前年まで私は、自分のヨガを究めるべく、IYC(インターナショナルヨガセンター)を立ち上げて15年以上、そしてここ10年以上にわたって毎年インドに行って修行してきました。それは自分の内側へと向かう旅路ともいえるものでした。

その長い旅路を終えた私は、意識を外側へ向けて広げ、すべてを受け入れる生き方にたどり着きました。ひとつのことに執着せず、意識を広げ、感謝の気持ちで物事を受け入れると、自然と思いがかたちになることを実感しています。2009年はそのことを再認識した一年でした。そして、それを多くの人にぜひ体験してほしいと思い、まずは指導者を対象に「ヨガ道」という講義をスタートしました。

「ヨガ道」では、基本となる11文字(中央の図柄参照)をライフスタイルの基本とし、その文字から触発されるイメージや感覚を表現するために、アーサナはもちろん、太極拳、武道、茶道、フラダンス、ベリーダンスなど、ジャンルや種類にこだわらず、すべてのものを受け入れることを学びます。参加者は多種の技や哲学、道などを体験することによって、自分の意識が広がっていく感覚を味わうのです。そして、意識を広げることが、思いをかたちにする助けとなることを学ぶのです。

さて、2010年。身の回りや世界の情勢を見ると、情報が混ざり合い、そのスピードはとても速くなっています。すべてがめまぐるしく変わっているように思えます。では、このような変化にどのように対処したらいいのでしょう。

それには、まず変化を受け入れる意識を持つことです。自分ではどうしようもない変化が目の前にたくさん起こります。「どうしたらいいんだろう?」と悩むのか、あるいは変化を受け入れて対応するかによってその人の生き方もずいぶんと変わってくるのでしょう。

そのコツは、自分からいろいろな変化を体験する時間をつくること。たとえば、これまで知らなかった音楽を聴くなど、「これ」と決めていること以外のことをトライしてみてください。そのときに、衝突するのではなく、受け入れるようにしましょう。これはヨガのメソッドについても同じことです。ある流派でないとヨガではない、と思うのではなく、あらゆる流派を認める気持ちを持ちましょう。

自分の立ち位置を動かさないことも大切です。動いてしまうと、自分の居場所が分からなくなってしまいます。そして、それまで壁をつくっていた物事も受け入れて、意識をさらに大きく広げていきましょう。そうすれば、自分の器も大きくなり、人生がより楽しくなるはずです。

どうしても変化を受け入れられず心が痛むようなら、私がいつでもそばにいると思ってください。私はいつも大切なあなたを応援していますからね。

心より愛を込めて。
ケン

ヨガジャーナル日本版 Vol.9 (INFOREST MOOK)日本を代表するヨガ指導者であるケン・ハラクマ先生が、すべてのヨギ& ヨギーニに贈る、心温まる言葉のギフト。

ヨガジャーナル日本版 Vol.9 p.21より

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