Vol.7 『心を開いて、自然を味わおう』

ケン先生からとっても大切なあなたへの贈りもの

新緑がまぶしいさわやかな季節になりました。ヨガの練習をする目的のひとつにピースフルなマインドを持つことがありますが、そのマインドは、豊かな自然の中でも感じることができます。

私はワークショップやリトリートなどで、地方や海外に行くことが多いのですが、教えるだけではなく、普段とは違う環境を楽しみます。

たとえば、森の中を散歩したり、朝早く起きて鳥の鳴き声に耳を澄ましたりなど、特別なことをするわけではありませんが、そこにある自然を味わうようにしています。

また、サーフィンやスカイダイビング、乗馬など、環境に応じたアクティビティにも挑戦し、勝ち負けではなく、自然と一体化することを楽しみます。

とくに初めての土地では、心をオープンにしていると自分の周りにいる人々を介してさまざまな情報が入り、自然との関わり合い方が広がります。

そして、これまでに培ってきた人間関係に対しても、自分を取り巻く自然に対しても、感謝の気持ちが生まれ、心がシャンティ(平和)へと導かれるのです。

一方で、普段の都会での生活では外から入ってくる情報があまりにも多いので、自然と関わる感覚が少し薄れてしまうときがあります。そういうときは、10分でも15分でも自分の時間をつくるようにして、静かに目を閉じ、内なる自然を味わうようにしています。

人も自然の一部です。ポーズをするとき、食事をしているとき、呼吸をしているときなど、体の中で起こっているさまざまな感覚を楽しむことは、森の中で風や香り、光を感じるのと同じことです。

内なる自然を味わうときも、自分と自然とのつながりに気づけば、そのつながりに対して感謝の気持ちが生まれ、ピースフルなマインドを持つことができるのです。

もしあなたが、物理的、経済的な理由で、自分のやりたいことができないと悩んでいるなら、自然とつながり、守られているということを知れば、現実を受け入れながらも、あきらめないで進んでいこう、という気持ちが生まれます。

また、恵まれた環境にいるのにやりたいことが分からないと悩んでいるなら、色々なことにトライして、やりたいことを探そう、という気持ちが生まれます。

それでも、自然とのつながりを感じられず、前向きになれないこともあるでしょう。そんなときは、私もあなたも同じ地球で生き、同じ空気を吸い、つながっているということを思い出してください。

さあ、心を開いて、一緒に一歩踏み出しましょう

心より愛を込めて。
ケン

yogaJOURNAL 11 (INFOREST MOOK)日本を代表するヨガ指導者であるケン・ハラクマ先生が、すべてのヨギ& ヨギーニに贈る、心温まる言葉のギフト。

ヨガジャーナル日本版 Vol.11 p.27より

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