Vol.8 『自分にやさしくなろう』

ケン先生からとっても大切なあなたへの贈りもの

ヨガの練習を重ねていると、ポーズの感覚の違いを敏感に味わえるようになります。

前日よりも体が柔らかくなったように感じるときもあれば、反対に硬くなったように感じるときもあります。それは、決して後戻りしているのではなく、自分の体や心が進化するなかでの前向きな変化なのです。

このように、ヨガを通して自分の変化を感じ、認めることは、よりよい人間関係をつくる助けにもなります。

家族、友達、同僚 - 私たちの生活はさまざまな人間関係の上に成り立っていますが、人間関係でストレスを感じるのは、自分も相手も含め、変わらないと思っていた関係が実際には変化していることを上手く受け入れられないからです。

でも、ヨガで学んだ変化を受け入れるを人間関係でも応用すれば、自分や他人の変化を認めることができ、心がずいぶんと楽になるはずです。

また、人との関係性は一律ではありません。ヨガを学んでいると、すべての人と平等に接しなくてはならないと思いがちですが、実際にはさまざまな付き合い方があります。ある人の前では素直に泣くことができたり、肩を抱き合って喜べたり、人によって関係の深さが違うのは、人間的に生きていれば当然のことです。

このような人間らしい部分を大切にすることで、楽しさ、うれしさ、苦しさ、痛さという感情をそのまま受け入れられるようになるでしょう。

変化を受け入れ、自分の感惰に素直になれば、自分にもっとやさしくなれるでしょう。自分にやさしくすれば、他人にもやさしくでき、良好な人間関係を築くことができるはずです。

自分にやさしくすることは、時には簡単ではありません。ほんとうは疲れているのに、無理に仕事をしてしまったり、やりたいことがあるのに、環境のせいにしてあきらめてしまったり、ついつい家族や友人に冷たく接してしまったり。

無理をすることもあるし、やりたくないこともあるし、人間関係がうまくいかないことだってあります。思い通りにいかないことのほうが実際は多いかもしれません。そうやって、プラスもマイナスもすべて受け入れれば、ずっと楽に生きることができるのです。

それでも、自分にやさしくなれないときは、私もあなたと同じように悩んでいることを思い出してください。

そうすれば、心がふっと軽くなりますから。

心より愛を込めて。
ケン

yogaJOURNAL 12 (INFOREST MOOK)日本を代表するヨガ指導者であるケン・ハラクマ先生が、すべてのヨギ& ヨギーニに贈る、心温まる言葉のギフト。

ヨガジャーナル日本版 Vol.12 p.19より

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