Vol.9 『感謝の気持ちで味わいましょう』

ケン先生からとっても大切なあなたへの贈りもの

の暑さもひと段落し、だんだんと涼しくなってきました。味覚の秋ともいわれるように、秋は美昧しいものが出揃う季節でもあります(※ファッションで体のラインが隠れてしまいますから、食べ過ぎには注意してくださいね)。

みなさんは、食べることについてどう考えていますか?私はこれまでさまざまな食事法を実践してきましたが、これからは、できるだけ多種多様な味わいを経験したいと考えています。

最近ワークショップなどで地方に行くことが多く、そのとき生徒のみなさんに食生活について質問をすることも、されることもあります。それぞれの地方の食文化に根差した食生活を送っている人が多いのですが、なかには、テキストに書いてあったから、とか、先生が言っていたから、という理由で特定の食事法にこだわっている人もいます。それは決して間違いではありませんが、知識や忠告をもとに食生活を決める前に、何が食べたいのかを自分に問いかけてみましょう。

ヨガを練習するとき、美しいポーズをとることばかりにとらわれてしまうと、健全な心身をつくるという、根底にある目的のひとつを忘れてしまうこともあるでしょう。

それは食事についても同じことです。何を食べるかにとらわれるのではなく、食べた物が自分をつくっているという感覚を大切にし、感謝の気持ちで味わうという姿勢をもっと大切にしましょう。

情報や価値観がますます複雑化する世の中で、ヨガ的な考え方に基づいてシンプルに生きようとすると、たいへんなこともきっとあると思います。ですから、複雑なものをシンプルに受けとめるというように、考え方を変えると、とても生きやすくなるように思います。

健康志向のオーガニックフードやマクロビオティックなど、食べ物に関する価値観も千差万別です。最初からひとつにしぼりこむというよりも、たくさんあるものをまず受け入れてみましょう。それから、自分でチョイスすればよいのです。

また、食事を媒介にして、他の人とのコミュニケーションをとることも、食事を楽しむひとつのアイデアです。友達や家族と一緒に、無理のない程度にいろいろな食事を試してみるのもいいですね。

みなさんのなかには、悩みを抱えていて、食べ物に意識が向かないという人もいるかもしれません。私にも実はそういうときがあります。そんなときは、今の自分を受け入れて認めてあげると、きっと心が楽になります。そうしているうちに、いつの間にか悩みから抜け出して、自然に元の自分に戻りますから。

あなたも私も同じ人間なんだということを覚えていてくださいね。

愛を込めて ケン

yogaJOUNAL vol 13 (INFOREST MOOK)日本を代表するヨガ指導者であるケン・ハラクマ先生が、すべてのヨギ& ヨギーニに贈る、心温まる言葉のギフト。

ヨガジャーナル日本版 Vol.13 p.23より

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